20140826

今日は朝からいくつか雑用をこなしつつ。
昼から東京外国語大学に出かけました。
15時から村上明さんの博論講演会を拝聴するためです。

村上さんはコーパス言語学の方なので、分野は結構違うのですが、
昨年2月頃に私がオクスフォードに渡った際に、ちょうどケンブリッジにいらっしゃいました。
そのときに連絡を取らせて頂いて、2回ほどケンブリッジに遊びにいった経緯があります。
個人的にインタビューもさせて頂いたので、ご研究の内容に関しては
ぼんやりとは知っていたのですが、ちょうどよい機会でしたので
全貌を伺おう、ということででかけました。

ちなみに東京外語大に行くのは初めてでした。
こぢんまりとしたキャンパスが素敵なところです。

村上さんのご研究は、L2(第1外国語、大抵英語を指す)を学ぶ人たちが
どのように習得してゆくのか、ということをコーパスを通して分析する、というものであると
理解しました。難しく言うと「文法形態素習得順序研究」というそうです。
英語の習得で未だに悩んでいる身としては、どういう要素が学びにくくて、
それに対して母語の影響はあるのかどうか、やはり日本語母語話者は不利なのでは、
という点は非常に気になるところです。
その点をずばり研究目的にされているのではないかと思います。

前半はケンブリッジ学習者コーパス(ケンブリッジ英検を受けた人たちのデータが入っている)を元に
6つの文法に関わる形態素(冠詞・三単現のs・進行形-ingなど)がどの程度正しく使えているか、
7種類の母語話者ごとに分析を行われていました。
結果、母語が異なると形態素を正しく使える率が異なり、その程度は同じ母語話者内であれば類似していることが
わかったそうです。
また、冠詞を持つ言語を母語とする話者は、英語の冠詞にも強い、など、母語の特性が
英語の形態素習得に影響を及ぼすこともわかったそうです。
(形態素ごとに傾向は異なりますが)

後半は前半の横断的研究に対して、疑似縦断的研究として
別の英語学習用ウェブサイト(?)Englishtownで出題される自由英作文の入力データを用いて、
英語を習得していく様子をさまざまな段階で分析し、学習曲線を比較する、というご研究でした。
このような分析を行うことで、横断的研究のように平均化してしまう分析とは異なり、
個人の習得の過程に注目することができるようです。
曲線の分析の部分は難しかったので割愛しますが、元々の熟達度などの個人的特性によって
習得の過程もかなり異なることが示されておりました。
平均してしまうと、見えなくなることがたくさんあるようです。

今回は2つの章に限定してお話頂きましたが、他の章でも別データを用いた分析を通して
見られた傾向の頑健性を示すなど、非常にかっちりとしていて、ストーリーのわかりやすいご研究でした。
ご発表の序論部分は特に問題についてクリアに整理されていて、見習いたいなぁと思いました。

個人的に気になったのは、熟達度が時間がたつと下がってしまうような個人の場合(そういうケースもありました)
何が原因と考えられるのか、とか、認知資源の配分についても言及がありましたので
そのあたりを加味した上でよりよい英語学習方略というものとしてはどのようなものが提案可能なのか、などと
考えておりました。
このあたりを考えるのはもしかしたら現地で教育を実際になさっている方々のお仕事なのかもしれませんが、
まだまだ英語を学ぶ必要がある身として、自分でも考えられたら面白いのでは、と思っておりました。

というわけで久しぶりに真面目に研究のお話をききました。
とても面白かったです。
あと三鷹以西から千葉に帰るのはなかなか遠いことがわかりました・・

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