取り組んでいる問い
1:オノマトペの「わかりやすさ・伝わりやすさ」はなぜあるの?
コトバが伝わらないのはなぜか、思いをうまく表現するにはどうしたらいいのか、
ということをいつも考えており、よく自分が困ったときに使う「オノマトペ(擬音語・擬態語などの総称」に
注目しました。なぜオノマトペはわかりやすいのか、あるいは、わかりやすいと感じてしまうのか。
そんなことを考えているうちに、音(韻)象徴にたどり着きました。
2:音(韻)象徴のメカニズムとは?
音象徴とは、「さ」という音がさわやかなイメージを持っているように感じられる、など
音声自体が何らかのイメージを伴っているとされる現象のことを指します。
「りんご」が必ずしも「りんご」という音列で呼ばれる必要がないように、
本来音声と、それが指し示す語の意味はつながりがありません。
(実は、オノマトペに限り、そのようなつながりがあるとされています)
しかし、音象徴は存在しており、我々はそれを感じ取っています。
なぜ、言語の中では役に立たないのに、音声からも何かを感じ取ってしまうのか。
この現象がどのように成立するのかについて考えています。
3:意味ってなに?
最終目標が、この問いになります。
我々はもちろん言語からも意味を取り出しますが、音象徴のように
本来語としての意味を持たないような単位からも、意味を取り出すことを可能とします。
これは、我々が得られるのであればあらゆるものから意味を取り出したい、と思う
「意味の渇望」の現れではないかと考えています。
現在扱っている物は直接的には言語ではありませんが、むしろ言語の意味が
及ばないところから意味を考えることで、違った見方ができるのではないかと思っています。
今までに行った研究
・感覚間一致と音韻象徴の類似性
・オノマトペハンターによるオノマトペの意味変遷データの収集→現在休止中
・音声を用いた感覚間一致の言語対照
・合成音声を用いた音韻象徴の「音/音声」性の検討
・言語コミュニケーション場面におけるオノマトペ使用の影響
現在進行中の研究
・オノマトペが使用される話者間の関係性
・オノマトペ使用による対人印象の変化
・文字種が与えるイメージの要因(物理的特徴/心的カテゴリ)